OUR PARTNERS, YOUR PARTNERS
中野俊(オーダースーツ)
ー "どうありたいか"を表現するスーツをつくりたい

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会場装飾、衣装、ヘアメイク、写真、料理、音響など。ウェディングにおけるおふたりのアイディアをかたちにするのは、CLASKA が「パートナー」と呼ぶプロフェッショナルたちです。

共に考え、遊び、創造する。私たちは主役のおふたりと同じくらい結婚式までの日々を楽しんでいるかもしれません。CLASKA のウェディングは、一つひとつ、「人」の手でつくられています。

こちらのコーナーでは、多彩なプロフェッショナルたちの中から一部の方々をご紹介します。今回は、オーダースーツを手掛けられている中野俊さんにお話を伺いました。

聞き手・文:落合真林子(CLASKA)
写真:山平 敦史



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────洋服の仕事を志したのはいつからですか?

中野さん(以下、敬称略):
中学生の時に自分が将来就きたい仕事を書く機会があり、その時に「洋服屋」と書いた記憶があります。埼玉県の入間で育ちまして、福生にある横田基地の近くにあるアメカジのショップによく通っていました。洋服が大好きになったこともそうですがその店のオーナーがとにかくカッコよくて、洋服の販売員になったらモテるんじゃないかと(笑)。高校は商業高校へ進学して、卒業後にオーダーと既製品を製造小売するアパレル会社に就職しました。

────夢見ていた仕事に就いて、手ごたえはいかがでしたか。

中野:
お客さまを接客するということがとても楽しかったですね。その会社はスーツのパターンオーダーを行っていたのですが、パターンとはいえオーダーに携われるのも面白かったです。でもしばらく続けているうちに、その仕組みゆえにお客さまの細かいオーダーに応えすることができないと実感してしまい......「販売でできることには限りもある」と思うようになりました。あくまでパターンオーダーなので、自分が仕立てるわけではなく会社のルールもあります。ならば接客をしながら「つくり手」でもありたいと。26歳で会社を辞めてテーラーに転進しました。

────テーラーというのは、つまり仕立て屋のことですよね。

中野:
そうですね。ただ、「テーラー」という屋号を掲げていても実際に縫える職人を抱えている店は東京でも非常に少ないです。僕自身テーラーに入ればそこで技術を学べると思っていたのですが、そういう現状ではありませんでした。ですので、テーラーに勤めながら同時進行で生涯の師匠となる方へ弟子入りし、いちから洋裁を学ばせて頂きました。


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────新郎によっては、普段スーツと縁がない方もいらっしゃると思いますし、オーダースーツをつくるのははじめて、という方も多いのではないかと思います。どのような工程を踏んで製作されるのでしょうか。

中野:
お客さまと打ち合わせをする際は、スーツの色やデザインよりも、まずは「結婚式を通してご自身がどうありたいか」ということについて価値観をお伺し、お客様にはとことん理想を語って欲しいと願っております。

────理想論、ですか。

中野:
はい。まずは理想をテーブルに乗せてもらって、そこから優先順位を決めながらカタチにしていく感じです。優先すべきは挙式のコンセプトなのか、挙式後の使い方や、はたまたご予算なのかをお客さまと相談をさせて頂いています。"自分自身がどうありたいか"ということも勿論ですが、式場を選んだ理由を聞くと理想がある程度カタチになって見えてきます。クラスカでウェディングをされる方は、"自分らしさ"や"肩ひじ張らない"といったキーワードが出てくることが多いのですが、それを表現できるスーツをつくれたらいいなと思っています。このあたりは、結局のところ着るのは私ではないので、お客様を理解する意味でも話し合うことが一番だと感じます。

────新婦が着るウエディングドレスは本当にたくさんの種類があってデザインも自由な印象がありますが、男性のスーツに関してはTPOも重要なキーワードになってきますね。

中野:
そうですね。TPOの話からは少し逸れてしまいますが、和服と洋服(スーツ)の違いってご存じですか? 和服は直線でつくられていて、スーツは曲線でつくられています。人の身体は曲線ですので、故に和服は直線を曲線に変える着付けが必要であり、重要なテクニックになります。逆に洋服は着付がありませんので、正確にお体を捉えないと非常に着心地の悪いものになると感じています。よって、その人の身体は世界にひとつしかない訳ですので、「身体に合う・合わない」の答えもひとつと考えています。この辺りは、お客様が介在出来ない領域ですので、着心地は私が責任を持ちますのでお任せくださいとお伝えしています。かたやファッションは個性ですので、この部分は一緒になって楽しみたいですし、それが刺激にもなります。

────なるほど。

中野:
TPOについては、知ることが何より重要です。例えば、招待状のドレスコードが「お着物」と記載してある場に「浴衣」で赴いて来られる方をお見かけしたらどう感じますか?

後ろ指を指すようなことはしないと思いますが、あれぇ?って思いますよね。
きっとお着物は日本人にとって、ファッション以前に文化なのです。だからルールを重んじるのです。当然、西洋の文化である洋装(スーツ)にもルールがあります。だからフォーマルの場ではこれを重んじるわけです。

ここは日本なので、きちきちする必要は別議論ですが、知った上でご自身の個性を出す事と、知らずに恥をかくのは大違いです。ひいては、当店が担当するお客様がこのような恥をかいた場合は、当店の責任になります。お伝えする義務を怠った訳ですからね。

まずはお客様に洋装のTPOをご理解いただき、そこにご自身の想いやアイデンティティを反映し楽しんで頂けるようご対応に努めております。

結論TPOとは、恥や環境に対する配慮、同じ時間を有意義に共有するためのガイドラインだと思えば、分かりやすいはずです。式を挙げるのは新郎新婦ですから、言い換えれば主催です。一層のこと、西洋文化のルールは一旦忘れて、ガイドラインをお二人で作ってしまったら気も楽になるはず(笑)
でも本当にそれで良いと思っています。重ねますが主催はお二人なので、何のために式を挙げ、何を伝え表現したいのか良い機会だと思って向き合って欲しいです。

────今まで担当された新郎で、印象的だった方はいますか。

中野:
クラスカのウェディングに携わるパートナーの方々にはさまざまな役割があって、ヘアメイクさんのように式当日が本番の方もいれば当店のように当日までの準備期間をメインに動く方もいますよね。スーツは新郎さんが自分で着ることが多いので式当日に同席させて頂くことはあまりないのですが、以前現場に同席させて頂いた新郎さんは印象に残っています。

────どんなところが印象的でしたか?

中野:
式当日、特に緊張している印象はなかったんですけど、スーツを着たら実感が湧いたのか急に緊張された様子で。「内ポケットにティッシュを入れてもシルエットに響きませんか?」「大丈夫ですよ」なんていう会話を交わしながら、ご自身でティッシュをポケットに仕舞おうとしたのですが、その手がブルブル震えていて。自分が関わっていることの大きさを感じました。そこで新郎さんの手を握って「この後僕は帰りますけど、もし緊張したら同じように誰かと握手してみて下さい。口実は、"今日はありがとうございます"とかで良いと思います。きっと人肌で緊張もほぐれると思いますよ」とお伝えした場面が思いで深いです。


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────新郎にも、ドラマがありますよね。

中野:
そうですね。やっぱり、男もカッコつけたいんですよ。誰もがそう思っているはずなんですけど、はじめての経験だし人前は度胸がいるし、震えることもあると思うんです。

────そんな時、中野さんがつくったスーツを着ていれば間違いないというか、胸を張っていられますね。

中野:
ただでさえ緊張する場なので、せめて着るものに対して不安材料を残したくないですよね。その部分に関しては、「安心してください」とお伝え出来ます。結婚式は一生に一度の大切な一日。新郎新婦、そしてゲストの皆様が最高の瞬間を過ごすことができるように、周りのスタッフが全力でサポートするべきだと思っています。僕がつくるスーツも、その一端を担えたら幸せです。


〈Profile〉

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中野 俊
Shun Nakano

注文紳士服のお仕立て・お直しを承る TAILOR SECOND HOUSE
スーツ・仕立品を専門に取扱う水洗いクリーニング AQUA CLEANING SECOND HOUSE
新郎衣装のオーダー制作と挙式後にビジネススーツへ仕立て直しをご提供する Men's BRIDAL SECOND HOUSE

SECOND HOUSE は、3つのショップを併設した専門店

http://second-house.tokyo/


CLASKA WEDDING では、おふたりのウェディングのイメージやご希望に沿って、プランナーが中心となり多彩なプロフェッショナルたちとチームを組み、おふたりだけの "祝いのかたち" を作り上げます。ぜひ一度ブライダル相談会へお越しください。

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