2009.11.18
ユニクロ帝国が意味するもの
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現代とは常に更新され続ける人々の欲望の最終形である…。
先日話題になったユニクロのジル・サンダーの服が見たくて
遅ればせながら私もショップをのぞいてみることにした。
いやあ予想以上によくできている。これまで色んなブランドが手がけてきた
「イメージづくり」だけに特化したお手軽でチープ感漂うコラボとは一桁違う。
デザインだけでなく本気で品質も重視した「商品づくり」を感じさせる出来映えに驚いた。
ジル・サンダーというフルネームのタグこそないものの特徴的なシェイプは
まさしくジル・サンダー。
それでいて価格は従来品に比べ20分の1!となればこれまでブランド欲しさに
無理して高い服を買ってきたのがバカらしくなるのも当然である。
そりゃ洋服も売れなくなるだろう。
「ユニクロ帝国の出現」、そんな勢いを感じずにはいられなかった。
効率性を極限まで追求し、クオリティの高い商品を消費者も舌を巻くほどの低価格で
実現してしまうその驚異的なシステム。またそれをさらに強化するイメージ・広告戦略。
これは企業努力以外のなにものでもないし、またその結果としての製品を喜んで購入
しているのは他ならぬ我々一般消費者なのだからそれ自体はハッピーなことには違いない。
とはいえ勝者がいれば敗者がいるのが世の常。ゲームの世界であればその場限りで済む話
であるがそれが社会全体に影響を及ぼすとなるとそう簡単なことではない。
アパレル関係の人から「ユニクロが日本の服飾産業、特に製造現場を壊滅的な
状況にした」的な話を聞いたことがある人は少なくないだろう。
「現在においては、非効率な社会の方が安定しているように思われる。一つの仕事を
成し遂げるのにできるだけ多くの労働者を雇う社会、それが非効率な社会である。
そうした社会は自分が役に立っているという感覚を成員に分配する。これは富の権力の
分配よりも、社会の安定にとって不可欠なものである」
これは季節労働者、港湾労働者としてその生涯を過ごしたエリック・ホッファーが
70年代に書いた言葉である。非効率な社会が生む安定性。逆説的なようだがなるほど
こういう視点もある。
ただ勘違いしてはならないのは、たとえ今日の状況が野蛮で理不尽だとしてもそれは
他ならぬ我々の欲望がもたらした姿であり、誰かに強制されて生まれた世界ではない
ということだ。つまりそれを軌道修正するのもわたしたち自身に委ねられている。
ではどうしたらよいのかなんて私ごときにわかるわけはありません。
ですがひとつ提案として「企業は利益に応じてある一定の労働者を雇わなければならない」
という法律をつくるというのはいかがしょうか。だめかなやっぱり…。
Posted by okuma
