BLOG BLOG CLASKAから送る日々のメッセージ

2008.08.27

大素人時代

周囲の人から最近話題にのぼることの多い丸木スマ展を観に
埼玉県立美術館に行ってきました。
スマさんのつまらぬ知識などに邪魔されない素朴で奔放な筆遣いは、
「絵」という古典的な表現ならではの魅力に溢れておりました。
とはいえ、ただ素人が描いた絵ということだけではこうはいかない。
いわゆるヘタウマというだけではどうもないようです。
特に独特の色彩感覚は素人の域をはるかに越え、やはり天才的としか
言いようがない気がします。私は「大素人画家」と位置づけることにしました。


そういう意味で近年「大素人画家」がちょっとしたブームになっている感がありますね。
日曜画家の大御所アンリ・ルソー、スマさんと同じく70歳を過ぎてから絵筆を取った
元漁師の画家アルフレッド・ウォリス、つい先日まで文化村で開催されていた
ロシアアヴァンギャルド展で紹介されていたニコ・ピロスマニなど、
時代の気分を感じさせるものがあります。


「素」の文化の時代が押し寄せてきているとでも申しましょうか。
私の身近な人たちの間では、そのライフスタイルを象徴する雑誌の名前を取って
「クウネル系」とか「天然生活系」などと言ったりしてますが、完璧なプロに憧れ、
ただ呆然とスターを見つめているのではなく、私たち=素人が主役であり、参加可能
な文化、より正確にはそういう幻想をもたらしてくれるライフスタイルを志向する
文化の波です。それは情報技術の劇的な進化と多様化、様々な環境問題、孤独や貧困、
犯罪などに象徴される社会問題等を背景に、私たち=素人が少しでも楽しみを感じながら
サーヴァイブしていく道として無意識にたどりついたひとつのライフスタイル。
少し大風呂敷な話かもしれませんが私はそう考えています。金の力を背景に、欲望の
アクセルを思いっきり踏みむ六本木ヒルズ的(死語?)「艶」の文化に対して、
「身近な幸せ、でもできるだけおしゃれにね」をキーワードとする「素」の文化の
逆襲です


いみじくもかつてウォーホールは「人はだれでもその生涯で15分だけは有名になれる」
と言いましたが、「素」の文化を志向する人たちの夢はまさにこの「15分間の有名人」
といった世界観なのではないでしょうか。ブログなんてまさに象徴的です。
でもそこに大いなる可能性が秘められていることもまた事実でしょう。
スマさんの絵が変な方向に展開してしまいましたが、今後もしばらく「素」が
希求される時代が続くことは間違いないでしょう(ホントか?)。




スマさんではなくウォリスの絵。外人の絵は同じ素人でも
やっぱりモダンに見えるのはなぜ。

Posted by okuma