2008.08.06
澄敬一の世界
円を描くように天井から吊り下げられた17台の鳩時計。
時計に文字盤はない。計量的時間は消失し、幸せを運ぶ
ただ白い鳩が「クックー」と愛くるしく鳴きながら次々に飛び出してくる。
ああなんて詩的な装置。
澄さんのオブジェはいつだってこれまで経験したことのなかった感覚のテクスチャーに
触れさせてくれる。でも一見ユーモラスでかわいい表層、ファルムの奥にある巧妙で
手の込んだ仕掛けを見逃してはいけません。
というわけで、いよいよクラスカで澄敬一さんの展示会がはじまります。
思えば池尻大橋にあった澄さんの最初の店、プッシュ・ミー・プル・ユーで
出会ってから早6年、ついに自分のいる場所で展示会を開催し、大勢の人に
澄さんを紹介できることを本当に嬉しく思っています。
とにかく一人でも多くの方にクラスカに足を運んで頂き、「澄敬一の世界」を
体験してほしいです。お待ちしております。
「電気花」 ネオン管を使用した正十二面体の照明。触ると感電します。
でも危険なものほど美しく、また触りたくもなるのが人情。
この構造にピンとくる人はきっと建築好きの人。そうバックミンスター・フラー。
プッシュ・ミー・プル・ユーを懐かしく思い出す人も多いのでは。
「仮想の家=機能の集合の場」 澄さんによる生活スペースのメタファー?
手前上部にちらっとぶら下がって見えるのは主役の鳩時計。
全貌は会場で!
「集合抽斗」 古い抽斗を重ねただけのようにも見えるが澄さんはもちろん
そんな手抜きはしない。形のよい古い和物の抽斗を手に入れたらまず洗い、
やすりをかけ表面をきれいにする。次に取っ手を外し角の取れた好きな形に
くり抜く。中身が見えるのが嫌なので裏側に薄い板を埋め込み、ひっかかりを
つくって完成。澄さんの作るものは全てその調子。ただの古道具のように
見えて既存のままのものはひとつも存在しない。素材やパーツを組み換え、
ときにパーツそのものを作品のために新たにつくる。とにかく驚くほど
手間と時間がかかっている。
Posted by okuma
