2008.05.08
石のように恒久で静かな意志
GWに香川県にあるイサム・ノグチの庭園美術館に行ってきました。そこにはノグチが晩年を過ごした自宅とアトリエがあり、それらをまとめて見学できます。何をかくそう僕は彫刻出身なもので、これまでいやがおうにも「イサム」という字面、音の響き、作品に接する機会が多かったわけですが、敢えて積極的には見ないようにしてきたところがありました。それは、意中の女性の気配を感じつつもそちらを直視できない若輩者の性といいますか、そんな気分からなのですが。しばらく年を経て、恥じらいもなくなり、貪欲さがムクムクと湧いてでてきたもので、いっちょ拝みにいきましょうかあ!ということで往復はがきで申し込みをし(*注意*申し込みが必要なのです)出掛けて参りました。
奇麗に手入れの行き届いた静寂のお庭。雲の流れの早い雨上がり、薄曇りの朝10時。石の彫刻や草花に残る雫の反射に一層気分の高揚を演出され、間違って異空間に飛び込んでしまったかのような、そんな気分の中、小高く創られた山に登り前方を見てみると雄大な屋島の溶岩台地が目に飛び込んでくる。小洒落た借景なんてなんのその。それを見た時、自然、地形、環境、全てを呑み込める庭をノグチは残したんだあとそこで実感し、その強さに圧倒される。しかしながら辺りはただひたすら「しーん」とした空気感。時折鳴き響く鳥の声が、どこかに吸い込まれて行きそうになる意識を呼び戻してくれているような、そんな気さえする。
そこに確かに残っている静かで強いノグチの絶対的な意志。くしくも、向かう新幹線の中で知った小林秀雄の残した「絶対とは誠実なる自意識の極限値」という言葉が思い浮かび上がり、なおも感動に味付けが加わりこの上ない時間を過ごす。
と、まあベタな手記調で書いてみましたが、やはり凄い!凄かった。もう見渡す限り石だらけ。単純に、石って彫るの大変なんですよ。ちょっとずつちょっとずつしか剥がれません。だから凄いってことじゃあないんですが、それを継続したこと、継続する環境を作ったこと、そして今なお、またこれからも残るであろうと想像させること、そんなこと全部で凄いんです。みなさんも一度機会をもたれてみてはいかがでしょうか。
小生、クラスカ6Fのタタミルームでノグチの照明「あかりシリーズ」採用させていただきました。
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「己の組成は粘土(磁器)でございます。まだまだです(苦笑)」
Posted by okji
